ヘアメイクスクールの講師として多くの生徒さんと関わり、様々な悩みや疑問に向き合ってきましたがヘアメイクのお仕事は、他の美容のお仕事に比べ将来のビジョンに不安を抱える方がとても多い印象です。
今回も講師の視点からこれまで聞いた多くの悩みや疑問と同じ思いを抱えてるいる方の参考になればと思いBlogを書きました。
今回は、前回のBlogで書いた続きになりますが、生徒さんから
【先生はどうやってヘアメイクさんになったんですか?】
という質問をいただき、自分の人生を振り返ってみようと思いBlogを書きました!
前回の記事を読んでいない方はこちらから⇒【東京都立川市のヘアメイクスクール ヘアメイクガーデンスクールの講師が語る】私がヘアメイクになるまでの道のり Part1
いよいよ社会人、美容師1年目スタート
前回の続きから、無事美容学校を卒業した私の美容師としての社会人1年目がスタートします。
卒業した年の4月1日から就職先の美容室へ行くことになったのですが、その日はなんと
仕事初日+私の誕生日+美容師免許の合格発表日
というトリプルイベントデーだったのです!(笑)
朝起きた時点では時間が早すぎて合否がでていなかったので、仕事初日で緊張している中、お店のパソコンでスタッフ全員に見られながら合格発表のページへアクセスしました。
結果は見事合格!安心してまだ働いてもいないのにドッと疲れました…
美容師免許には筆記と実技があるのですが、筆記に関しては問題用紙に答えを書き込んで、テスト後に学校で採点ができるのでその時点で合否が分かるのですが、実技に関してはどうなっているかわかりません。
美容室によっては、美容師免許に受かっていないと就職取り消しになるところもあるので、筆記の採点で不合格だった同級生の中には、美容師免許に受かっていないくても採用してくれる美容室を探して面接をし直す人もいました。
実際美容学校卒業後に合否が出るので同級生で誰が受かったか、誰が落ちたか聞かない限りわかりませんでした。
私が就職した美容室は美容師免許が不合格だったとしても、働きながらまた受験して受かればいいと言ってくれていたので安心感はありましたが、それでも1回で受かりたいと思っていたので本当に良かったです。
そしていざ働き始めると、まず最初に覚えることは【掃除、洗濯、レジ打ち、電話対応、お客様対応】でした。
よく美容学生時代に友達に「髪の毛切ってよ。」とか「カラーしてよ。」と言われていましたが、美容を学んでいるからと言って、きちんとしたカットやカラーができる訳がないんです!(笑)
それは社会に出てからも同じで美容学校を卒業したばかりの人間にできることはほとんどないのです。
なので、最初はスタイリストがカットした毛を掃いたり、カラーやパーマの際に使った道具を洗ったり、スタイリストに言われたメニューを伝票に書き込んでレジで合計金額を出したり、来店されたお客様の受付をしたり、お客様が帰る時にドアを開けてお見送りしたり、タオルの洗濯をしたり、予約電話の対応をしたりetc…
と、美容に関わることはほとんどすることができません。
その当時は(早くシャンプーしたり、カラー塗ったりさせてよー。)と思っていましたが今思えば、何もできない人にお客様の施術をさせるなんてありえません!
学生時代に様々なバイトをしていましたが、朝から晩まで週6で働くというのは本当に大変なことだと実感し、なにより一番辛かったのは1日中立ちっぱなしということでした。
最初の一週間は立ち続けることが辛すぎて前の日の足の痛みを次の日、その次の日まで引っ張って、もう歩けなくなるんじゃないかとまで思いましたし、足が痛いから辞めますと言おうか悩んだくらいです(笑)
ですが、人の慣れとは凄いもので一週間を過ぎてからは立っていることに辛さを感じなくなり、1ヶ月もすれば長時間座っていることより、長時間立っている方が楽になっていたのです!
立ち仕事をしていて良かったなと思う点は、ディズニーで1日中歩きまわっても全然疲れなくなったことです(笑)
少し話が脱線してしまいましたが、美容室で働く中での1日の流れとしては、
8時半までに出勤⇒掃除や、前の日に干した洗濯物を畳んで開店準備をする
9時オープン⇒【掃除、洗濯、レジ打ち、電話対応、お客様対応】などできることをする
11時~14時の間のどこかでお昼休憩⇒お店の混み具合によってお昼の時間が変わる
18時最終受付⇒カットの最終受付は18時、カット+カラー、カット+パーマの最終受付は17時半
閉店(早ければ18時、遅くて20時)⇒掃除、洗濯物を干す、在庫の確認などの締め作業をする
閉店後自己練習⇒2~3時間程度
このサイクルを見ると12時間はお店にいることになります。
私が働いていた美容室はお昼休憩は15分以内に済ませてスタッフルームから出てくるという暗黙のルールがありましたが、美容室によってはお昼ご飯を食べれないまま1日が終わるなんてところもたくさんあるので、毎日15分の休憩が貰えていたのはマシな方です(笑)
そして閉店後の自己練習で私の指導係を務めていた先輩にシャンプーやドライヤーのかけ方、スタイリストのヘルプをする時の動きなど技術を1つ1つ教えてもらいます。
もちろん自己練習なので給料は発生しないのですが、私自身は上手くなる為に自己練習をするのは当たり前でやらなくてはならないことでしたが、先輩は完全にサービス残業なので今考えると申し訳ない気持ちと感謝の気持ちでいっぱいですが、その当時は「練習するのめんどくさいから帰りましょー。」と舐めきったことばかり言っていました(笑)
そして毎週日曜日の閉店後に開催される勉強会で、日々練習の練習を確認する為の技術テストをします。
そこでオーナーに合格をもらうと初めてお客様に入ることができるのです。
1つずつテストに合格し、どんどんできることが増えていくのは楽しかったし、やりがいがありました。
しかし、学生時代からの夢だったヘアメイクの仕事を諦めるという選択肢はなく、学生時代に先生から言われた「美容師免許取るならとりあえず美容師の仕事してからヘアメイクを目指せばいいんじゃない?」という言葉を自分なりに考えてみた結果、【スタイリストになるまでは美容師を続けよう!】と目標を立てました。
私の指導係を務めていた先輩は公私共に仲良くしてくれていたのですが、「スタイリストになったら美容室辞めます!」と言ってくる後輩の日々の指導をしなきゃいけないなんて理不尽ですし、なんの為に毎日練習に付き合ってるのか…と思ってしまうような発言ばかりして本当に迷惑をかけていたと今更ながらとても反省しています。私だったら過去の自分の様な後輩の面倒はみたくないです(笑)
先輩に迷惑をかけながらも少しずつ技術を覚えていき、美容室で働き始めて3年目にスタイリストになることができました。
そして、スタイリストになる目標を達成できたことでいよいよヘアメイクになる為に頑張るぞ!という意気込みと共に美容室を辞めました。
この時の私は、やっと美容師を辞めることができた!やっとヘアメイクになる為に頑張れる!という美容師業をないがしろにするような気持ちでいましたが、今思うと美容師時代に学んだ技術や知識は自分の財産であり、ヘアメイクにおいてもとても役立つもので、美容師を長年やっている方の技術力の高さに尊敬しかありません。若気の至りって本当に恐ろしいです…
美容室を辞めて、いざヘアメイクへの道のりがスタートするのですが、長くなってしまったので、この記事の続きは次回書いていこうと思います!
ここまで読んでいただきありがとうございました!
続きはこちらから⇒【東京都立川市のヘアメイクスクール ヘアメイクガーデンスクールの講師が語る】私がヘアメイクになるまでの道のりpart3
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