ヘアメイクスクールの講師として多くの生徒さんと関わり、様々な悩みや疑問に向き合ってきましたがヘアメイクのお仕事は、他の美容のお仕事に比べ将来のビジョンに不安を抱える方がとても多い印象です。
今回も講師の視点からこれまで聞いた多くの悩みや疑問と同じ思いを抱えてるいる方の参考になればと思いBlogを書きました。
今回はヘアメイクガーデンスクールの無料体験レッスンに参加してくださった方が
【昔ヘアメイクスクールに通っていたのに、卒業していざヘアメイクのお仕事をしようと思った時に自分が何もできず、なんの為にスクールに通ったんだろうと後悔しました。】
というお話をしてくださいました。
過去にもヘアメイクガーデンスクールに入る前に同じお話をしてくださった方がたくさんいて、多くの方が同じ後悔をしているのだと分かりました。
では、なぜヘアメイクスクールを卒業したにも関わらず即戦力となる技術が身に付かないのか、何が原因でなのか、それについて詳しく解説していきたいと思います!
1、スクールのシステムを解説
まず初めにヘアメイクに関わらず、大小様々なスクールが世の中にはたくさんあります。
誰もが分かる例として、小学校、中学校を思い浮かべてみてください。
1つのクラスでたくさんの生徒がいる中で先生は1人、分からないことがあれば質問すれば先生は答えてくれますが、1回の授業で(ここまで進む)という決まりの中で授業を行うので、
<〇〇さんがこの公式が理解できないそうなので、今日はこの公式だけやります。>という訳にはいきません。
理解している人も理解していない人も同じように授業を受け、テストで良い点数を取っても悪い点数を取っても同じように卒業します。
私は中学生の時、数学でいきなり<x,y>が登場して「どういうこと!? xってなに?そのxのところが、cとかuじゃいけないの?」と公式を理解する以前の段階で頭の中が?マークでいっぱいになり、先生に質問したところ、「そんなの疑問に思わなくていいから進めるよー。」とスルーされました(笑)
しかし学校とはそういうものです…
それは義務教育の学校だけでなく、高校も大学も専門学校もヘアメイクスクールも同じです。
ほとんどの何かを教える組織は、できてもできなくてもカリキュラムが進んでいくのです。
しかし、それではあまりにも無責任です。
そういったスクールを選んでしまった方が、冒頭でも述べたように卒業してから、スクールに通ったことを後悔してしまうのだろうと思います。
2、ヘアメイクスクールで学んだことが活かせない理由
1、で述べた事を前提にヘアメイクスクールで学んだことが活かせない理由についてお話していきたいと思います。
この原因は明確に2つあげることができるのでそれについて解説していきます。
1つは、スクールの授業では練習相手がウィッグだから
もう1つは、カウンセリングを学ばないから
この2つです。
2-1.スクールの授業では練習相手がウィッグだから
私もヘアメイクとして仕事をする前にヘアメイクスクールに通った経験があります。
授業は毎回ウィッグを使い、家でもひたすらウィッグで練習
それは学び始めたばかりの頃は誰もがやらなければならないことですし、ウィッグで練習することはとても大切なことです。
しかし、ウィッグでの練習で完璧にできるようになったことを人頭でやってみると、(私はいったい何を練習してきたんだろう…)と悲しくなるくらい何もできなかったのです。
当時スクールに通う前にお金がない中15000円も出してウィッグを買って、スクールでも使い、家でも練習して、相棒のように同じウィッグと過ごしている内に、そのウィッグの髪質、毛量、髪の長さなどを知らず知らずのうちに完璧に把握していたらしく、人頭に向き合った時に(いつもと違う…)とテンパってしまったのです。
実際お客様に入るようになると、髪質も毛量も髪の長さも十人十色で全く違います。
編み込み1つするにしても髪の長さが腰くらいまである人と、ベリーショートで10㎝以下の人だと注意点も違いますし、ウィッグはどんな扱いをしても何も影響はありませんが、人頭だと引っ張ったら痛いですし、丁寧に髪を扱わないとお客様に不快な思いをさせてしまいます。
スクールで学んでいる間にどれだけ人頭に触れるかでスクールが意味のあるものに変わってきます。
2-2.カウンセリングを学ばないから
これはスクール経験者として卒業後もっとも痛感したことです。
スクールでひたすら技術を学んで、それができるようになってもお客様相手に自分が作りたいものを作ることはできません。
お客様が何を求めているかを聞き出す力がないと (あのヘアメイクさんは下手) (思っていた髪型にならなかった)などというクレームに繋がってしまいます。
これはいくら技術を身に付けても、どんなに技術が上手くても同じ結果になってしまうのです。
ヘアメイクさんとしてお仕事を始めたばかりの時は【失敗】は付き物ですが、失敗の原因は技術不足より、圧倒的にカウンセリング不足なことにあります。
ヘアメイクさんになりたいと本気で思っている方は毎日一生懸命練習して技術を身に付けているので、いざお仕事を始めた時に「全く分からないスタイルをオーダーされた。」ということはほとんどないのですが、「こうやってオーダーされたと思って作ったらお客様に満足していただけなかった。」という失敗が多く見られます。
この原因はカウンセリング不足によるものです。
技術をある程度身に付けたら、後はカウンセリングを強化する
これが大切になってきます。
技術とカウンセリング能力は全くの別もので、カウンセリングも技術と同じくらいしっかり学んで身に付けないとヘアメイクさんとして即戦力になれないのです。
基礎ができてきたら人頭に慣れる為の練習をすること、それと同時にカウンセリングの練習をすること
この2つがしっかり学べるスクールでないとお金を払って通う意味がないものになってしまうことをしっかり把握しておくことが大切です。
質の高いヘアメイクスクールにする為に
ヘアメイクガーデンスクールを開設する時に自身の経験と多くの方の話を参考にして、より良いスクールにする為に試行錯誤しました。
・技術を理解するまで徹底的に授業をする
・ウィッグだけではなく人頭練習をする
・カウンセリングの授業に力を入れる
この3つは必ず組み込み、他のヘアメイクスクールと違うポイントとしてアピールできるものになりました。
まず一番に技術を理解するまで徹底的に授業をすることで分からないことを分からないままにしないで1つ1つの技術を見に付けることができます。
そして次にウィッグだけではなく人頭練習をすることでスクールで学んでいる間に人頭に慣れていきます。
もちろんウィッグでの基礎練習はとても大切で、まずはウィッグで髪の毛の扱いに慣れていくところからスタートします。
ヘアメイク歴が長くても自分が作ったことのない新しいスタイルが出てきたら皆ウィッグで練習します。
ウィッグでの練習をベースに人頭に慣れていく、初めの内はウィッグで作れたものが人頭では作れない!なんてこともありますが慣れてくるとウィッグで作れるものを人頭でも作れるようになります。
更に技術が身に付いてきたらカウンセリングに力を入れることで、技術+カウンセリングを両立させ、ヘアメイクさんとして即戦力になれるというカリキュラムになっています。
ここまでスクールの内部を公開していいのかな?と思ったりもしましたが、ヘアメイクスクールに通ったことを後悔する方が1人でも減ってくれたら嬉しいなと思い今回のBlogを書きました。
ヘアメイクガーデンスクールのシステムに興味がある方は是非HPも見ていただけたら幸いです!
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